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高知で倉庫を選ぶなら知っておくべき3つのポイント
高知県は、その地理的特性から倉庫に関して特有の課題があります。
特に、平地が少なく、規模感のある物流事業者がいないことが倉庫市場に大きな影響を与えています。
さらに、2024年問題以降、長距離輸送が困難になり、物流コスト削減の観点から全国的に倉庫の需要が高まっており、その影響は高知エリアにも波及しています。
この状況下で、効率的な物流体制を確立するため、高知で倉庫を探す企業が増加しています。
本記事では、高知の倉庫市場に関する基礎知識と、倉庫選びにおいて考慮すべきポイントを詳しく解説します。
高知の地理的特性と倉庫市場の現状
1.山地率が高い
高知県は山地率が全国1位と山地が多く、平地が限られているため、倉庫を建設するための土地が非常に限られています。下記は都道府県別の森林率のランキングです。
このため、倉庫の供給は需要に対して不足しており、特に高知市や南国市など、主要都市周辺の倉庫は常に高い需要を抱えています。空き物件を探すのが難しい状況であり、特に戦略的な立地にある倉庫は早い段階で埋まってしまうことが多いです。
2.倉庫が少ない
高知県は、全国的に見ても営業倉庫の数が非常に少ない地域です。国土交通省が出している「倉庫統計季報」によると、高知県は全国の中でワースト3位にランクインしており、営業倉庫の数が著しく不足しています。
これは、県内の地形的な制約や農地が多いことが起因しており、倉庫を新規に建設するための用地確保が困難であることが背景にあります。
この営業倉庫の少なさは、企業にとっては大きな課題となっており、需要に対して供給が追いつかない状況が続いています。
そのため、高知県内で倉庫を確保することは容易ではなく、特に物流効率を高めたい企業にとっては、限られた倉庫物件の中から最適な選択をする必要があります。高知県内で倉庫を探す際には、早期の行動と入念な物件リサーチが求められます。
倉庫選びのポイント
物流の効率を最大化するためには、納品先の分布や配送量に応じた立地選びが極めて重要です。
例えば、スーパーやドラッグストア、コンビニのような高知県全域にわたる納品先のカバーが必要で、なおかつ高知県中心エリアに配送量が多い場合には、県中央部の高知IC、土佐IC、南国IC周辺の倉庫が最適です。
これらのエリアは主要交通インフラ(高速道路や主要幹線道路)に近く、県内各地への配送を迅速かつ効率的に行うための拠点として機能します。
一方で、納品先が特定の地域に集中している場合、配送エリアの近くに倉庫を設けることで、輸送距離を短縮し、運送コストを効率的に削減することが可能です。
たとえば、土佐市に製造工場がある場合、高速道路ICから多少距離があったとしても、工場近隣の土佐市の倉庫を活用することで、製造工程の効率化と在庫管理の最適化が実現します。
具体的には、現在の工場スペースの制約により、必要な分だけを県外から都度調達している状況を、大量に原料を仕入れて工場近隣の倉庫に保管する方式に切り替えることで、トータルの物流コストを大幅に削減できます。
さらに、工場のすぐ近くに在庫を持つことで、必要なタイミングで必要な量を迅速に納品できるため、工場のスペース不足の課題を解消し、製造プロセス全体の効率化を図ることができます。
これにより、物流コストの削減と製造プロセスの最適化という二重のメリットが得られます。
地震・津波対策の確認と浸水地域に気をつけること
高知県は、南海トラフ地震などのリスクが高く、地震や津波による被害が懸念される地域です。
そのため、倉庫を選定する際には、耐震性や津波対策が十分に施されているかどうかを慎重に確認することが非常に重要です。
災害時にも安全に商品や資材を保管できる体制を整えることで、企業のBCP(事業継続計画)においても大きなメリットを得ることができます。
また、高知県は地震だけでなく、洪水や浸水のリスクも無視できません。
実際に、高知県内のある倉庫では、過去に洪水で浸水した事例があります。このようなリスクを避けるためには、浸水想定区域に該当しない場所に倉庫を構えることが望ましいです。
高知県の防災マップや洪水ハザードマップを活用し、リスクの低い地域を選定することが推奨されます。さらに、倉庫事業者に過去の災害履歴や対策状況についても確認し、安心して利用できる環境が整っているかどうかを確かめましょう。これにより、災害時のリスクを最小限に抑え、物流の安定供給を確保することが可能になります。
高知県の倉庫市場の将来展望
高知県では、地理的な制約や地価の高さに加え、建築資材の高騰が進行しており、今後新規に倉庫が増えることは容易ではありません。また、2024年問題の影響で、物流業者はコスト増加や人手不足など、経営環境の厳しさが増しており、これも倉庫供給の拡大を難しくしています。
その一方で、全国的な倉庫需要の高まりを背景に、高知エリアでも物流効率を向上させたい企業が増加しているため、倉庫の重要性がますます高まることが予想されます。特に、物流ネットワークの強化や、長距離輸送が難しくなる状況に対応するため、地域に密着した物流拠点が今後も必要とされるでしょう。
弊社では、このような市場ニーズに応えるため、高知でNo.1の倉庫面積を保有し、倉庫サービスを提供しております。これからもさらに倉庫を建設していく予定です。
もし、高知エリアでの倉庫や物流サービスに関してお悩みがございましたら、ぜひご相談ください。
まとめ
高知県の倉庫市場は、独自の地理的条件や経済的な要因により、今後の供給が厳しくなると考えられますが、その重要性はますます高まっています。企業にとって適切な倉庫を選ぶことは、物流コストの抑制と効率的な運営に直結するため、非常に重要なインフラとなっています。
倉庫を選定する際には、立地条件や設備、契約条件を入念に確認し、自社のニーズに最も合った選択をすることが求められます。市場動向に注視し、適切なタイミングで最適な倉庫を確保することで、企業の成長を支える基盤を築くことができるでしょう。